「ゆるやかなゾーニング」概念の導入による持続可能な森林管理計画策定における合意形成プロセスの構築-「やんばる国頭村森林地域ゾーニング計画」策定での試み-

  • 谷口 恭子
    東京工業大学大学院社会理工学研究科桑子研究室
  • 桑子 敏雄
    東京工業大学大学院社会理工学研究科桑子研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Design and Implementation of a consensus building process for a sustainable management plan of a subtropical forest in Japan using the concept of “softzoning”. -Forest Zoning Plan in Yambaru-Kunigami Village
  • 「 ユルヤカナ ゾーニング 」 ガイネン ノ ドウニュウ ニ ヨル ジゾク カノウ ナ シンリン カンリ ケイカク サクテイ ニ オケル ゴウイ ケイセイ プロセス ノ コウチク : 「 ヤ ンバルクニガミムラ シンリン チイキ ゾーニング ケイカク 」 サクテイ デ ノ ココロミ

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抄録

<p>保全と利活用の対立が続く地域で,持続可能な森林資源管理計画を策定するためには,地域を主体とし,かつ,多様なステークホルダーが参画できるような合意形成プロセスの構築が不可欠である。本論文では,沖縄本島北部のやんばる国頭の森での保全と利活用の対立を解決するために沖縄県国頭村が策定した「国頭村森林ゾーニング計画」事業において合意形成に至ったマネジメント手法を示す。筆者らは,計画策定のプロジェクト・チームのメンバーとして,本事業における合意形成プロセスを設計し,これをプロジェクトとしてマネジメントすることによって対立を克服する「やんばる国頭森林ゾーニング計画」の策定に導いた。厳しい対立があるなかで合意形成に導くことができた理由は,豊かな生物多様性をもつとされるやんばる国頭の森という通念に反して,村民の期待が「自然再生」にあることを明らかにし,これを計画のなかに組み込むことができたことである。本論文は,保全と利活用という二項対立を克服する森林の管理のための合意形成プロセスにおいて「ゆるやかなゾーニング」の概念のもつ役割を認識し,これを合意形成・マネジメントに活かすことが重要であることを示す。</p>

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