日本文化と中国文化における鬼を表す色 ―和文化の基底に見られる陰陽五行説―

書誌事項

タイトル別名
  • <b>Colors Associated with Demons in Japanese and Chinese Culture: The Theory of Yin-Yang and the Five Elements Considered as a Basis of Japanese Culture</b>

説明

<p> 節分で頻繁に登場する鬼は,主に赤鬼と青鬼で,鬼の種類が多い場合には,黄(あるいは白),綠,黒の鬼が存在する.鬼の色は,地域によっては赤・青・黄や,赤・緑・黒という3鬼のところもあり,赤の頻度が最も高い.人生には「陰陽」がある.その陰の部分から,鬼が発生しており,日本では怪物のイメージから自然界にある主要な5色を利用して鬼が描写されている.それに対して,現代中国では「死者の魂」の意から「幽霊」のイメージが強く,怖いモノと考えられ,色で表現されないことが多い.鬼の5色は仏教や五行説と密接な関係がある.仏教の五色とは,青・赤・黄・白・黒で,青の代わりに緑,黒の代わりに樺色や紫が使われることがある.仏教を象徴する旗の国際仏旗は,左から青,黄,赤,白,橙,一番右の列には5色を上から順番に並べた縞模様となっており,それらの色にはそれぞれ意味が込められている.鬼はらいの儀式では平安京大内裏の外郭の十二の門に,青い土牛童子(以下,土偶)は東の門に,赤い土偶は南の門,黄色い土偶は東西南北の門,白色の土偶は西の門,黒色の土偶は北の門に立てられたと言及されている.陰陽五行説の五色が基本色になっている.</p>

収録刊行物

  • 日本色彩学会誌

    日本色彩学会誌 42 (3+), 114-, 2018-05-01

    一般社団法人 日本色彩学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763020641408
  • NII論文ID
    130007405392
  • DOI
    10.15048/jcsaj.42.3__114
  • ISSN
    2189552X
    03899357
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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