日本人新生児における新型経皮的ビリルビン測定装置の臨床的検討

  • 中村 利彦
    埼玉医科大学 総合医療センター 総合周産期母子医療センター 新生児部門
  • 山田 大悟
    埼玉医科大学 総合医療センター 総合周産期母子医療センター 新生児部門
  • 板倉 敬乃
    埼玉医科大学 総合医療センター 総合周産期母子医療センター 新生児部門
  • 小川 雄之亮
    埼玉医科大学 総合医療センター 総合周産期母子医療センター 新生児部門

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Evaluation of a New Device for Transcutaneous Bilirubin Measurement in Japanese Infants

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説明

目的:非侵襲的ビリルビン測定は児の疼痛,局所感染の回避と言う意味で迅速に結果が得られることと同様に有利である.ビリチェックTMという経皮的ビリルビン測定装置によって血清中総ビリルビン値を多民族における新生児で正確に測れる事が報告された.しかし,日本を含んだ東洋人に関しては十分なデータがなかったため,今回日本人を対象にビリチェックTMの有用性を検討した. <br> 対象および方法: 52人の日本人新生児を対象に240回,前額部,胸部,上腕部3ケ所でビリチェックTMによる経皮的ビリルビン測定と同時に血清総ビリルビン値を測定した.光線療法中の34回はアイパッチで前額部が遮蔽された箇所でビリチェックTMを使用した. <br> 結果:ビリルビノメーターとビリルビンオキシダーゼ法を比較すると,r=0.980,y=1.05x+0.176,p<0.0001 と極めて良い相関を確認し,以後の検討をビリルビノメーターとビリチェックTMの値を比較した.ビリチェックTMにおける各ビリルビン濃度の変動係数は5%以下と再現性は良好であり,測定者間での変動係数も5%未満と測定者の影響は問題なかった.光線療法前の児では,ビリルビノメーターと前額部(r=0.925),胸部(r=0.848),上腕部(r=0.822)の順では良い相関が得られた.しかし,光線療法中では前額部でもr=0.803 とやや相関が悪くなった. <br> 結論: 今回の結果より, 日本人においてもビリチェックTMによる経皮的ビリルビン測定は血清総ビリルビン値を正確に反影することが確認された.しかし,光線療法中に関してはさらなる検討を要する.

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