廃糖蜜からのプロピレン製造に向けた酸発酵条件の検討

  • 五島 崇
    鹿児島大学大学院理工学研究科 化学生命・化学工学専攻
  • 須藤 千尋
    鹿児島大学大学院理工学研究科 化学生命・化学工学専攻
  • 田中 秀茂
    鹿児島大学大学院理工学研究科 化学生命・化学工学専攻
  • 水田 敬
    鹿児島大学大学院理工学研究科 化学生命・化学工学専攻
  • 二井 晋
    鹿児島大学大学院理工学研究科 化学生命・化学工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Conditions for Acid Fermentation of Molasses for Effective Production of Propylene from Biomass
  • ハイトウミツ カラ ノ プロピレン セイゾウ ニ ムケタ サン ハッコウ ジョウケン ノ ケントウ

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抄録

<p>世界的なエネルギー需要の増加や国際的なCO2排出量削減の流れにともない,再生可能資源のバイオマスをBTXやプロピレンなど化学基礎原料へ転換する手法が注目されている.本研究ではバイオマスである廃糖蜜を発酵処理して含酸素炭化水素を生成した後,触媒反応によりバイオ燃料や化学原料に転換する2段階操作を提案し,その実装可能性を検討することを目的とする.特に,酸発酵を用いて廃糖蜜から含酸素炭化水素の酪酸を製造するプロセスにおいて高選択性と製造時間を短縮できる条件を探索した.発酵液の溶存酸素濃度,pHおよび原料基質の濃度を調整することで,原料に含まれる糖類のスクロース,グルコースとフルクトースを全量消費して目的の中間生成物である酪酸が73.5 C%という高い達成率で得られ,発酵日数を13.5 dから1.5 dまで短縮した.生成物を分離精製した酪酸水溶液を用いてゼオライト触媒による改質反応実験を行い,プロピレンが収率25 C%で得られ,廃糖蜜原料からプロピレン生成までの一貫製造の実装可能性が確認された.</p>

収録刊行物

  • 化学工学論文集

    化学工学論文集 44 (4), 278-283, 2018-07-20

    公益社団法人 化学工学会

参考文献 (4)*注記

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