ケルセチンとコーヒー酸はヒト肺若齢及び老齢線維芽細胞のSirt6, Gdf11遺伝子を制御する

DOI
  • 岡田 悦政
    愛知県立大学大学院看護学研究科 健康管理・基礎老化研究室 Ageing Section, Ageing and Nutrition Research, Yms Laboratory
  • 岡田 瑞恵
    Nutrition Section, Ageing and Nutrition Research, Yms Laboratory

書誌事項

タイトル別名
  • Quercetin and caffeic acid regulate Sirt6 and Gdf11 genes in human lung young and old fibroblasts

抄録

目的:植物に含まれているケルセチンとコーヒー酸による時計遺伝子Bmal1, Per1、及びその制御遺伝子であるSirt1発現への影響はすでに報告している。時計遺伝子の発現機構は、まず、Bmal1とClockの複合体がE-Boxに結合し、Per1とCryの複合体を生成し、これがBmal1とClockの産生を抑制するという概日リズムを刻んでいる。同様に、グルココルチコイドはレセプター(GR)αに結合するとE-Boxを活性化する。また、時計遺伝子はSirt1のみならずSirt6による制御も行われている。さらに、Gdfファミリーは生殖細胞の概日細胞周期調節に関与することが知られている。ここでは、時計遺伝子の制御機構解明のため、植物抽出成分であるケルセチンとコーヒー酸が、Sirt6、Gdf11遺伝子発現に、またGRαに関与するか否か検討したので報告する。<br>方法:ケルセチン、コーヒー酸をヒト若齢(PDL20)、及び老齢(PDL60)肺線維芽細胞に投与し4時間培養を行った。その後Sirt6、Gdf11遺伝子のmRNA量についてqPCR法により、またGRαはELISA法により定量した。<br>結果:Sirt6発現量は、コーヒー酸において若齢2.5倍、老齢1.4倍と発現促進効果が見られたが、Gdf11遺伝子は若齢、老齢細胞ともケルセチン、コーヒー酸による発現抑制効果を示した。同様に、ケルセチンとコーヒー酸はGRα量を抑制した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763022908288
  • NII論文ID
    130007420608
  • DOI
    10.11428/kasei.70.0_140
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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