生活教育絵雑誌『子供之友』に見られる子どもの生活

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Children's lives in the picture magazine 'Kodomo-no-Tomo' (Children's Friend)
  • 絵ばなし「甲子・上太郎」の統計解析
  • Statistical analysis of 'Koko-Jotaro' stories

抄録

目的 婦人之友社が1914年から1943年まで刊行した児童向け絵雑誌『子供之友』は,子どもの成長と自立をうながす近代的生活教育雑誌であった.絵ばなし「甲子・上太郎」は,創刊から終刊までほぼ毎号連載され,上・中・下太郎と甲・乙・丙子の6人の男女の子供たちが登場し,日常の一場面でどう行動するかが描かれている.読者に,あなたは上太郎にも下太郎にもなれるが,誰のようになりたいかと自ら選んで行動するよう導く工夫がある.『子供之友』は,竹久夢二や北沢楽天などの著名な画家が挿絵を担当していたこともあり,絵本として注目されがちであるが,「甲子・上太郎」に見られる教育手法と扱われているテーマは,全体を通して顕著な教育的特色がある.本研究では,その生活教育の在り方の変遷を探る.<br><br>方法 とくに大正期のものが史料として希少価値が高い『子供之友』であるが,刊行総数356号のうち,現物218号分,複写77号分を今回,自由学園に収集した.それらの内容をデータ化し,統計解析を行った.手法としては主に数量化Ⅲ類を使用した.<br><br>結果 テーマの傾向が外発的から自発的に移っていること,他の記事が時代とともに変化していくなどがある中で,「甲子・上太郎」には時代によらない一貫した主張が見て取れ,創刊者羽仁もと子の教育思想が感じられた.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763025258112
  • NII論文ID
    130007420947
  • DOI
    10.11428/kasei.70.0_100
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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