カニクイザルの胸腺から繰り返して採材する手技検討及びこれらの操作が生体に及ぼす影響
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- 浜島 敏之
- Axcelead Drug Discovery Partners株式会社 非臨床安全性研究
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- 須山 由美
- Axcelead Drug Discovery Partners株式会社 非臨床安全性研究
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- 林 良太
- Axcelead Drug Discovery Partners株式会社 非臨床安全性研究
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- 葛西 義明
- 武田薬品工業株式会社 再生医療ユニット T-CiRA
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- 入口 翔一
- 京都大学 iPS細胞研究所 T-CiRA
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- 大塚 博比古
- Axcelead Drug Discovery Partners株式会社 非臨床安全性研究
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- 福井 英夫
- Axcelead Drug Discovery Partners株式会社 非臨床安全性研究
書誌事項
- タイトル別名
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- Study on Repeated Biopsy Method of the Thymus in Cynomolgus Monkeys and Effects of These Procedures on the Animal Conditions
抄録
<p>サルでは末梢で胸腺機能を評価するマーカーが確立されていなく、胸腺生検によるリンパ球の解析や病理評価が必要な場合がある。本検討では、胸腺機能の経時的変化を同一個体で評価する為の、繰り返し胸腺を採材する手法について胸腔鏡法と開胸法とを比較検討した。胸腔鏡法では胸腺の描出が容易でなく、摘出が困難であったことから、熟練した技術と適切な手術器具の選定が必要と考えられた。一方、開胸法では左右の第3あるいは第4肋間を約2 cm切開し、直視下で胸腺を採取することが可能であり、出血も少量であった。</p><p>そこで、開胸法で同一動物から胸腺を4あるいは5週間間隔で計3回採材した。その結果、同一動物から繰り返して胸腺の採材が可能であった。赤血球数及び好中球数にわずかな変化を示す個体がみられたが、その他、出血や感染を示す変化はみられず、一般状態、体重、血液学的検査値、胸腺の病理組織学的検査に繰り返しの開胸手術及び胸腺採材による侵襲ストレスに起因する懸念される変化もみられなかった。次に、胸腺の採材間隔を4~5週間から2週間に短縮した場合の影響について検討した。その結果、2回目の採材では胸腺細胞(CD45+CD20-細胞)数に影響はなく、胸腺の病理評価は可能であったが、その2週間後に実施した3回目の採材では、胸腺細胞が著明に減少し、胸腺を病理組織学的に確認できなかった。原因は短期間に実施した過度な手術侵襲ストレスにより胸腺が萎縮したためと考えられた。</p><p>以上、サルの胸腺から繰り返して組織を採材するために簡便な開胸法が適していること、及び採材の間隔は4週間程度であれば手術侵襲ストレスに起因した変化は認められないことが明らかとなった。</p>
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 45.1 (0), P-227-, 2018
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282763028538752
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- NII論文ID
- 130007432558
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可