拡張型心筋症に伴う心室頻拍に対して心外膜側からLAVAを指標に頻拍回路を推定し,ablationを施行した1例

DOI
  • 柳澤 哲
    名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科学 名古屋大学大学院医学系研究科先端循環器治療学寄附講座
  • 因田 恭也
    名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科学
  • 安藤 萌名美
    名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科学
  • 加藤 寛之
    名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科学
  • 藤井 亜弥
    名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科学
  • 伊藤 唯宏
    名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科学
  • 水谷 吉晶
    名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科学
  • 上久保 陽介
    名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科学
  • 神崎 泰範
    名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科学
  • 平井 真理
    名古屋大学医学部保健学科
  • 室原 豊明
    名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科学

書誌事項

タイトル別名
  • Successful epicardial catheter ablation for ventricular tachycardia by identifying critical isthmus with local abnormal ventricular activities in patient with dilated cardiomyopathy

抄録

<p></p><p>57歳,男性.拡張型心筋症にて近医でフォローされていたが,心室頻拍(VT)にて入院し植込み型除細動器(ICD)の移植を行った.その後,ICD治療が頻回となり当院へ紹介され,VTに対して電気生理学的検査・カテーテルアブレーションを行った.左室心内膜アプローチから洞調律中に左心室内のマッピングを行うと,側壁側に遅延電位を認めた.続いてVTの誘発を行うと複数のVTが誘発された.このうち,血行動態が保たれたVT(右脚ブロック,上方軸型)に対して左室心内膜側からマッピングを行ったが頻拍回路の同定はできず,通電後もVTは停止しなかった.このため後日心外膜アプローチによる再セッションを施行した.心外膜側からのマッピングでは,左室側壁心外膜側の低電位領域を中心に広域に心室局所異常電位(LAVA)が認められた.誘発されたVTに対して,後側壁基部の低電位領域周囲の各所でconcealed entrainmentが得られた.さらにその下方に早期拡張期異常電位を認め,同部位でbumpしてVTは停止した.低電位領域を下方から上方へ緩徐伝導するVT回路を推察した.その後は血行動態不安定なVTが誘発されたため,低電領域内の緩徐伝導路に認められたLAVA電位を標的に焼灼を行った.退院後のフォローでは,1年以上VTの再発やICD作動は認めていない.非虚血性心疾患のVTに対して,心外膜側の必須緩徐伝導路を推測し,VT維持に関連するLAVAをターゲットにアブレーションを施行した.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 48 (SUPPL.2), S2_217-S2_223, 2016-12-30

    公益財団法人 日本心臓財団

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763033566208
  • NII論文ID
    130007435103
  • DOI
    10.11281/shinzo.48.s2_217
  • ISSN
    21863016
    05864488
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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