髄液動態と正常圧水頭症

  • 山田 茂樹
    洛和会音羽病院脳神経外科正常圧水頭症センター
  • 石川 正恒
    洛和会音羽病院脳神経外科正常圧水頭症センター 洛和ヴィライリオス
  • 山本 一夫
    洛和会音羽病院脳神経外科正常圧水頭症センター

書誌事項

タイトル別名
  • CSF Dynamics and Normal-pressure Hydrocephalus

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抄録

<p> 脳脊髄液 (CSF) の動態に関する新知見によれば, CSFは主として脈絡叢から産生されておらず, 上矢状静脈洞のくも膜顆粒から静脈へと吸収されるのではなく, リンパ系へと排出される. さらに, 脳室からくも膜下腔へと一方向には流れておらず, 血液循環と呼吸を駆動力として拍動性に動いており, その動きは大槽から橋前槽で最も大きい. 70代健常人の頭蓋内CSFの平均総量300ml以上と比較して, 続発性正常圧水頭症 (sNPH) では広範囲くも膜下腔の閉塞により平均300ml未満となり, 特発性正常圧水頭症 (iNPH) ではCSFの排出障害により平均400ml以上となる. 70代健常人と比べ, iNPH患者の脳室は約100ml拡大しており, くも膜下腔の大きさは同等だが, その分布が大きく偏っている.</p>

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参考文献 (24)*注記

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