頸椎症性筋萎縮症(Keegan型頸椎症)に対する運動療法の試み

書誌事項

タイトル別名
  • A Trial of Therapeutic Exercise for Cervical Spondylotic Amyotrophy (Dissociated Motor Loss)
  • ―肩関節の解剖学と運動学に基づく運動療法―
  • ―Therapeutic Exercise Based on Articular Anatomy and Kinematics―

この論文をさがす

説明

【目的】頸椎症性筋萎縮症の治療法には,早期に手術を推奨する報告や保存療法を第一選択とする報告がある。保存療法による改善例も報告され有効な選択肢と考えられるが,理学療法の報告は少なく十分なエビデンスが確立されていない状況にある。運動療法の報告でも詳細な記載はなく,肩関節の解剖学や運動学に基づく運動療法の報告は見あたらない。これらを考慮した運動療法の導入により,保存療法の成績を向上させる余地があると思われ,その運動療法について検討する。【方法】頸椎症性筋萎縮症と診断または疑われた全症例3名3上肢に,上肢の拘縮を予防し,斜面台を用いた肩甲骨周囲筋の筋力維持により腱板筋群が効率よく働く環境を整え,同時に腱板筋群や三角筋の筋力を維持・強化し上肢の挙上動作の獲得を図る。そして,障害された神経が回復することを期待する。【結果】治療終了時には,全例とも挙上が可能となり,長期成績では日常生活や社会生活に支障なく再発も認めていない。【結論】本法は,手術療法の前に試みられるべき有効な一手段と考えられた。

収録刊行物

  • 理学療法学

    理学療法学 36 (2), 62-69, 2009-04-20

    一般社団法人日本理学療法学会連合

参考文献 (30)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ