高等学校生物における科学技術の発展を踏まえた実験の在り方についての実践的研究

  • 奥村 仁一
    Northern Arizona University Center for Science Teaching and Learning 静岡市立清水桜が丘高等学校

書誌事項

タイトル別名
  • Action Research on Advanced Science Experiment Methodology and Influence on Students’ Sense of Fun and Motivation in Upper Secondary School Biology
  • コウトウ ガッコウ セイブツ ニ オケル カガク ギジュツ ノ ハッテン オ フマエタ ジッケン ノ アリカタ ニ ツイテ ノ ジッセンテキ ケンキュウ

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説明

<p>国際調査によると, 日本では他国に比して科学の学習を楽しいと思っている生徒や科学に対する興味・関心の高い生徒の割合が低い。その結果を踏まえて現行の高等学校学習指導要領では, 実験・観察を積極的に行うことや, 科学技術の急速な発展を踏まえた学習内容を盛込んだことが示されている。 </p><p>筆者らは大学と連携して先端研究の内容を体験的に学ぶDNA実験講座を実施したが, 参加できる生徒の人数に限りがあったため, 元々生物学やDNAに興味・関心のある生徒が応募により参加している状況が見られた。そこで, 文系・理系を選択する前の時期の高校1年生を対象としてセントラルドグマ再現実験を実施し, 両実験後に行ったアンケートを比較・分析し, 考察した。 </p><p>その結果, 両実験とも生徒は科学に対して楽しいと感じ, 興味・関心を高める効果があったと考えられた。そして実施方法の違いから, DNA実験講座では進路学習やキャリア教育につながる効果があるものと推察され, またセントラルドグマ再現実験では文系・理系を選択する前の高校1年生に対して高校の実験室で手軽に多人数で実施できる点に於いて教育的効果が高いと考えられた。 </p><p>したがってこれらの異なる形態の実験授業を適切な時期に適切な対象生徒に対して実施することが重要であることが示唆された。 </p>

収録刊行物

  • 理科教育学研究

    理科教育学研究 59 (1), 11-25, 2018-07-31

    一般社団法人 日本理科教育学会

参考文献 (1)*注記

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