遅発性筋痛に対する物理療法の効果

書誌事項

タイトル別名
  • The effect of the physical modalities for delayed onset muscle soreness
  • 遅発性筋痛に対する物理療法の効果 : Neurometer を用いた客観的指標を加えて
  • チハツセイキンツウ ニ タイスル ブツリ リョウホウ ノ コウカ Neurometer オ モチイタ キャッカンテキ シヒョウ オ クワエテ
  • Neurometer®を用いた客観的指標を加えて
  • Using Neurometer® as an objective index

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抄録

本研究は,遅発性筋痛(以下,筋痛)に対する物理療法(温熱及び寒冷)の疼痛緩和の効果を,電流知覚閾値(以下,CPT)検査,visual analogue scale(以下,VAS), 関節可動域(以下,ROM)の3項目を指標として検討した.対象は,健常成人20名(男性2名,女性18名),平均年齢30.6±6.5歳であった.筋痛を起こさせる運動として,1回/2secのペースでダンベルを用いて肘関節の屈伸運動を非利き手にてオールアウトまで行った.物理療法は,無作為に温熱療法と寒冷療法の2群に分けて施行した.効果判定のための 測定項目は,①Neurometer®NS3000™によるCPT,②VAS変法による圧痛検査,③肘関節自動運動時の屈曲・ 伸展ROMの3項目とした.これらの測定は,運動前,筋痛時,物理療法施行直後,物理療法施行20分後に行った.筋痛が発生した非検筋に対して温熱および寒冷の物理療法を実施した結果,温熱群・寒冷群ともに5HzのCPTが筋痛時に比べて,物理療法直後,20分後ともに有意に高値を示した.筋痛時にダンベルによって与えた侵害刺激による痛みを基準にすると,温熱・寒冷の物理的刺激を与えることによりその値は有意に減少した.肘関節の屈曲・伸展のROMはともに筋痛時に明らかに低下し,その後の温熱・寒冷の施行により筋痛時に比べ有意に改善し,20分後では運動前の値に近くなった.本研究では温熱・寒冷の物理的効果について,痛みの主観的指標とNeurometer®を用いた客観的指標を加 えて検討することによって,温熱・寒冷の物理的効果を主観的,客観的に評価できる可能性を示すことができた.

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