乗鞍岳東斜面における降雨および融雪に対する地表流の応答

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タイトル別名
  • Response of surface runoff to rainfall and snowmelt in the Mt. Norikura alpine area
  • ジョウクラダケ ヒガシシャメン ニ オケル コウウ オヨビ ユウセツ ニ タイスル チヒョウリュウ ノ オウトウ

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抄録

<p>源流集水域の水循環に関する既往研究では,融雪水および降雨の入力に対する地表流の応答時間は,流域面積や勾配,地質等に左右されることが報告されている。越年性雪渓を有する周氷河地域における融雪,降雨,地表流の関係はいまだ不明瞭な部分が多く,水文学的特徴を見出すには詳細な水文データによる検討が不可欠である。本研究は乗鞍岳東斜面の源流集水域内で地表流の水位観測および雨量観測を実施し,10分間雨量から算出した先行降雨指数(m-API)を用いることで地表流の発生ポテンシャルを定量的に評価した。地表流発生に関するm-APIの閾値は4.02 mmとなり,降雨イベント中にm-APIが4.02 mmを超過しない場合,河道に地表流は生じないことが明らかとなった。また越年性雪渓からの融雪水量の日変動による地表流の水位変動は数mmであった。さらに,無降雨日が連続的に生じても河床には貯留水が認められた。このことから,乗鞍岳東斜面の源頭集水域では雪渓からの融雪水が不飽和帯を涵養することで,わずかな降雨の入力に対して地表流が発生しやすいと推定される。</p>

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