ヒラタケ属新規菌株の嗜好特性

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  • Taste characterization of the fruit body derived from a novel strain belonging to the genus <i>Pleurotus</i>
  • Taste characterization of the fruit body derived from a novel strain belonging to the genus Pleurotus

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説明

ヒラタケ属の品種改良で開発された新規菌株(IC1)の嗜好特性についてエリンギおよびヒラタケと対比し,呈味性成分の定量と官能評価を併用して評価した.呈味成分において,旨味を呈するGlu および5’-GMP は,IC1 にヒラタケと同程度含まれ,Gly,Ala および5’-IMP は,ヒラタケおよびエリンギと比べてIC1 で有意に高い値を示した.甘味を呈するトレハロースはIC1 において,ヒラタケよりも有意に高かったが,エリンギよりも有意に低かった.熱水抽出エキスでの官能評価において,IC1 はヒラタケと比べて甘味は強いが苦味が少ない,また,エリンギと比較して旨味が強いという特長がみられ,全体的なおいしさでは,IC1 はヒラタケ,エリンギより有意に高い評価が得られた.主成分分析を実施し,3 種類のきのこの嗜好特性を検討した結果,味の濃さと甘味の強さ,全体的なおいしさで明確に区別することが出来た.その中で IC1 に多く含まれていた Gly, Ala および5’-IMP がIC1 の呈味性に影響を及ぼしている可能性が考えられた.以上から,成分分析と官能評価を併用することによって,ヒラタケおよびエリンギが持つ長所を併せ持つ優良な菌株であることが示された.

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