ニューロキニンB受容体拮抗剤の経口投与はパルス状LH分泌を抑制する

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タイトル別名
  • Oral administration of selective neurokinin B receptor antagonist suppresses pulsatile LH secretion in female goats

抄録

<p>【目的】近年,ニホンジカによる農作物への被害が深刻化しており,その個体数を制御することは農業被害を軽減するために重要である。反芻動物を含む哺乳類の性腺機能維持に不可欠な性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)のパルス状分泌は,視床下部弓状核に局在するGnRHパルス発生機構(GnRHパルスジェネレーター)により制御される。視床下部弓状核に局在し,キスペプチン,ニューロキニンB(NKB),ダイノルフィンAを発現するKNDyニューロンがGnRHパルスジェネレーター本体であるとの説が有力である。よって,KNDyニューロンの活動を抑制することで性腺機能を抑制し,害獣の個体数管理が可能になると考えられる。これまでの研究によりNKBはKNDyニューロンに作用し,同ニューロンの活動を促進することが示唆されている。そこで本研究では,反芻動物のモデル動物であるシバヤギを用い,GnRHパルスジェネレーターの活動およびパルス状黄体形成ホルモン(LH)分泌に対するNKB受容体拮抗剤の経口投与の効果を検討した。【方法】卵巣除去-エストラジオール(E2)代償投与メスシバヤギにNKB受容体拮抗剤(40または200 mg/kg/day)を7日間経口投与した。投与開始日をDay 1とし,Day 0,2,4,7,9に6分間隔で4時間採血し,血中LH濃度をRIA法により測定した。また,多ニューロン発火活動記録用電極を視床下部弓状核に留置した卵巣除去-E2代償投与メスシバヤギへのNKB受容体拮抗剤(200 mg/kg/day)の経口投与がGnRHパルスジェネレーター活動におよぼす影響を解析した。【結果および考察】NKB受容体拮抗剤の経口投与によりGnRHパルスジェネレーターの活動が抑制される傾向を示し,LHパルスの間隔が有意に延長した。本結果から,NKB受容体拮抗剤の経口投与はKNDy ニューロンに作用してGnRHパルス分泌を抑制することが示され,本方法が有効な性腺機能抑制策として活用できる可能性が示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763048292096
  • NII論文ID
    130007489810
  • DOI
    10.14882/jrds.111.0_p-5
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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