陸貝類,ミミズ類あるいはワラジムシを給餌したヒメボタル幼虫の生存と成長

  • 西嶋 翔
    神戸大学大学院農学研究科昆虫機能学研究室
  • 安岡 拓郎
    神戸大学大学院農学研究科昆虫機能学研究室
  • 前藤 薫
    神戸大学大学院農学研究科昆虫機能学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Survival and growth of Luciola parvula larvae fed land snails, earthworms, or wood lice (Coleoptera: Lampyridae)
  • リク カイルイ ミミズルイ アルイワ ワラジムシ オ キュウジ シタ ヒメボタル ヨウチュウ ノ セイゾン ト セイチョウ

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抄録

ヒメボタルの2齢幼虫に,ナミコギセル,アズキガイ,ミミズ類またはワラジムシの肉片を与えて約80週間にわたって飼育した.どの餌条件でも体サイズの成長(前胸背板の幅の増加)をともなう脱皮が観察された.飼育終了時の推定生存率は,ナミコギセルを与えられた幼虫が83.6%,アズキガイを与えられた幼虫が75.2%,ミミズ類を与えられた幼虫が46.6%であった.ワラジムシを与えられた幼虫も,飼育終了時までには全て死亡したものの,ほぼ半数が200日間以上生存していた.ミミズ類を与えられた幼虫の前胸背板は,貝類を与えられた幼虫や野外で採集された終齢幼虫と比べるとやや小さいものの,その差はわずかであった.ヒメボタルの幼虫は,最も好適な餌である陸貝の他にも,さまざまな土壌動物やその死体を少なくとも一時的な餌資源として利用している可能性がある.

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