脳梗塞後発症の口部ジスキネジアへの運動療法

書誌事項

タイトル別名
  • Therapeutic Approach to Oral Dyskinesia Aggravated Gradually after Cerebral Infarction

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説明

脳梗塞後に進行した動脈硬化と脳萎縮によるとみられる口部ジスキネジアを呈する94歳女性に在宅で運動療法を施行した。意識は傾眠が続き,他者の接触で触覚防衛を強く示し声をあげる状態であり,平均的には意識レベルはJapan Coma Scale(JCS)でⅢ-200と低かった。立ち直り運動に欠け坐位をとれず臥床状態であった。運動療法を脳梗塞後3年目から4ヵ月間,在宅で15回施行した。体幹の屈筋痙性を減弱させ,右に偏位した頭頸部を中間位に修正し,舌骨と喉頭へ運動に必要な正中位での可動性をともなう安定性を誘導した。右前方への舌突出へは,湿ったガーゼを巻いた療法士の手指で圧迫し抑制した。舌突出は1分間に23回あったが,4ヵ月後にみられなくなった。この結果吸い飲み器での液体や固形物摂取が容易になり,3種の食材から8種を摂食でき,尿量の安定化にも貢献できた。食事時間は1時間から,30〜40分へと減少した。

収録刊行物

  • 理学療法学

    理学療法学 24 (7), 400-405, 1997-11-30

    一般社団法人日本理学療法学会連合

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (19)*注記

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