製塩母液の溶存酸素濃度,温度,組成が金属の自然電位に与える影響

  • 中島 聖珠
    公益財団法人塩事業センター海水総合研究所
  • 中村 彰夫
    公益財団法人塩事業センター海水総合研究所
  • 正岡 功士
    公益財団法人塩事業センター海水総合研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Dissolved Oxygen, Temperature, and Composition of Mother Liquor Used in Salt Production Process on Metals
  • セイエン ボエキ ノ ヨウゾンサンソ ノウド,オンド,ソセイ ガ キンゾク ノ シゼン デンイ ニ アタエル エイキョウ

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説明

製塩母液を対象として,想定される溶存酸素濃度,温度,組成が種々の金属の自然電位に与える影響について検討した.自然電位は濃縮度の異なるモデル母液(液温50 ℃,70 ℃,90 ℃)に種々の金属試験片を30日間浸漬して測定した.金属試験片は,蒸発缶の装置材料として用いられるS31600,S31254,S32053,N08354およびN06022を使用した.製塩母液において,自然電位は母液の濃縮度および温度による影響を受けにくく,溶存酸素濃度および銅イオン濃度が高いほど高くなった.この傾向は検討した全ての金属で同様であった.このことから,製塩母液中の溶存酸素濃度および銅イオン濃度の管理は腐食対策として有効であると考えられる.一方,溶存酸素濃度が著しく低い場合には銅イオンが自然電位に与える影響は些少であった.このことから,銅イオンは溶存酸素の還元反応を促進させる効果を有することが示唆された.

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