電子線グラフト重合法によるポリエチレン基材製塩用イオン交換膜の製造(その1)陽イオン交換膜

書誌事項

タイトル別名
  • Production of Polyethylene-Based Ion-Exchange Membranes for Electrodialysis of Seawater by Electron Beam-Induced Graft Polymerization(I)Cation-Exchange Membranes
  • デンシセン グラフト ジュウゴウホウ ニ ヨル ポリエチレン キザイ セイエンヨウ イオン コウカンマク ノ セイゾウ(ソノ 1)ヨウイオン コウカンマク

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説明

ポリエチレンフィルムを基材に用いて,電子線グラフト重合法を適用し,製塩用陽イオン交換膜を作製した.ポリエチレンフィルムの3種類の材質は,低密度ポリエチレン(LDPE),高密度ポリエチレン(HDPE),および超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)である.ポリエチレンフィルムに電子線を照射した後,スチレンのキシレン溶液に浸漬させて,スチレングラフト重合膜を得た.引き続き,クロロスルホン酸ジクロロエタン溶液に浸漬させることによって,膜にスルホン基を導入した.得られた陽イオン交換膜のイオン交換容量,含水率,膜抵抗,および引張強度を測定した.LDPEおよびHDPEフィルムから作製した陽イオン交換膜の引張強度(2000~3000 N/cm2)は市販の陽イオン交換膜Selemion®CSOのそれとほぼ同等であった.一方,UHMWPEフィルムから作製した陽イオン交換膜の引張強度は約2倍(4000~5000 N/cm2)であった.本研究で作製した陽イオン交換膜を市販の陰イオン交換膜Selemion®ASAとペアにして電気透析槽に設置して,海水濃縮性能を評価した結果,3種類のポリエチレンフィルムともSelemion®CSOよりも高い濃縮性能を示した.膜抵抗が同一の値(1.5Ωcm2)のとき,かん水濃度は最大で20 %以上高い値を示した.

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