19番染色体部分トリソミーを合併し非典型的な臨床経過を示したWolf-Hirschhorn syndromeの早産児例

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タイトル別名
  • A preterm Wolf-Hirschhorn syndrome boy, who has also duplication of 19q, shows unexpected clinical course

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説明

<p> 症例は在胎33週, 出生体重1,070g (−3.57SD) で出生した男児. 上気道狭窄, 小顎, 肺動脈狭窄, 両眼開離など多発奇形を認めた. 日齢1の脳波でsubclinical seizureを認め, 生後2か月から抗てんかん薬に抵抗性の焦点性間代性発作が頻発した. G-band法は正常男性核型を示したが, 全エキソーム解析データを用いたコピー数解析を行ったところ, 4番染色体 (4p16.3-16.2) に5.3Mbの欠失, 19番染色体 (19q13.33-13.43) に9.5Mbの重複を認め, Wolf-Hirschhorn syndrome (WHS) と診断した. 本児は典型的なWHSの顔貌を呈しておらず, てんかんと脳波所見の経過も通常のWHSの特徴と異なっておりWHSを疑うことができなかった. 19番染色体の部分重複の合併が臨床像に影響したと考えた. 複数の遺伝子に影響を及ぼすような転座を有する場合は臨床像が典型的でない可能性があり, 診断の一助として網羅的遺伝子解析が有用と考えた.</p>

収録刊行物

  • 脳と発達

    脳と発達 50 (5), 355-359, 2018

    一般社団法人 日本小児神経学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763049607552
  • NII論文ID
    130007493516
  • DOI
    10.11251/ojjscn.50.355
  • ISSN
    18847668
    00290831
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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