生体直交型反応(bioorthogonal reactions)

  • 平井 剛
    九州大学大学院薬学研究院薬物分子設計学分野

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説明

生体直交型反応(bioorthogonal reactions)とは,生体分子が持つ官能基とは反応しない官能基同士が,生理的条件下で選択的に結合形成する反応を指す.代表的な生体直交型反応は,アルキンとアジド間で起こるヒュスゲン環化付加反応である.例えば,タンパク質に組み込んだアルキンと,アジド基を有する蛍光団などの機能性分子は,本反応で選択的に連結することが可能である.アルキンやアジドはコンパクトであり,タンパク質に組み込んでも毒性が出にくいことから,生体分子へのこれら官能基の様々な導入法が開発されている.生体直交型反応の効率を上げるには,生体に影響を与えやすい金属触媒や,反応性の高い比較的不安定な官能基を利用する必要があるため,生体直交性を担保できる化学反応の開発は依然として重要な課題である.

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 54 (10), 966_3-966_3, 2018

    公益社団法人 日本薬学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763050727168
  • NII論文ID
    130007492852
  • DOI
    10.14894/faruawpsj.54.10_966_3
  • ISSN
    21897026
    00148601
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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