心室中隔欠損を伴う右肺動脈上行大動脈起始症の低出生体重児に対する段階的外科修復 —根治術後肺動脈吻合部狭窄の解除に工夫を要した1例—

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タイトル別名
  • Staged Repair of Anomalous Origin of the Right Pulmonary Artery from the Ascending Aorta in a Low Birth Weight Infant : A Surgical Option for the Relief of the Postoperative Right Pulmonary Artery Stenosis

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説明

<p>症例は在胎35週1,561 gで出生した男児.生直後の心エコーで右肺動脈上行大動脈起始症(AORPA)および膜性部心室中隔欠損症(VSD)と診断された.急速に心不全が進行したが,低体重のため日齢14に右肺動脈絞扼術を先行し,体重が増加した5カ月後に根治術を行った.右肺動脈の再建には主肺動脈右側壁をflap状に用いたが,術後に上行大動脈による圧排と瘢痕形成のため高度の右肺動脈狭窄をきたした.再手術では上行大動脈をいったん離断して右肺動脈狭窄部をパッチ形成した後,圧迫を回避するために上行大動脈後壁をパッチで延長して大動脈背側の空間を拡大した.上行大動脈前壁の一部は成長を期待して自己組織同士で吻合した.VSDを伴うAORPAの低出生体重児に対する外科修復の報告は稀であり,右肺動脈吻合部狭窄解除術の工夫を中心に報告した.右肺動脈形態や左肺高血圧の推移について,長期にわたる慎重な経過観察を要する.</p>

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