樹冠上部からの散水による表面流および表土侵食の時系列変化

  • 若松 孝志
    一般財団法人 電力中央研究所環境科学研究所
  • 池田 英史
    一般財団法人 電力中央研究所環境科学研究所
  • 中屋 耕
    一般財団法人 電力中央研究所環境科学研究所
  • 石井 孝
    一般財団法人 電力中央研究所環境科学研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Time Series Analysis of Surface Runoff and Surface Soil Erosion by Water Sprinkling Above the Canopy
  • ジュカン ジョウブ カラ ノ サンスイ ニ ヨル ヒョウメンリュウ オヨビ ヒョウド シンショク ノ ジケイレツ ヘンカ

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抄録

<p> 降雨強度が大きい条件での森林斜面における表面流出と土砂流出の時系列変化を観測するため,樹冠通過過程で雨滴の運動エネルギーが変化することを考慮して,樹冠上部より散水可能な手法を考案し,その有用性をヒノキ人工林を対象に評価した.散水は間欠的に約13分,32分,16分間,計3回行った.表面流出量,土砂流出量は調査プロットを用いて観測,樹冠通過雨の降雨強度,雨滴の粒径と落下速度は,プロット上部にレーザー雨滴計を設置し観測した.土層での水収支に基づき,樹冠通過雨の降雨強度(195~378mm h-1)は妥当であると判断された.林外と林内の雨滴の粒径分布と落下速度を比較した結果,樹冠を通過する過程で粒径の大きな雨滴が増大することが明らかとなった.一方,雨滴の落下速度は林外,林内ともに終端速度よりも小さく,対象とする林分の樹冠構造を反映させた落下速度を再現できていなかった.樹冠通過雨の降雨強度と浸透強度の間には正の相関関係(r =0.96)が認められ,降雨の継続に伴い,表面流出率の変化の程度は小さかった.一方,樹冠通過雨の降雨運動エネルギー,表面流出量に対する土砂流出量の割合は低下する傾向を示した.</p>

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参考文献 (16)*注記

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