ROEの長期観察によるわが国企業の財務体質の実態解明

  • 白田 佳子
    法政大学イノベーション・マネジメント研究センター客員研究員

書誌事項

タイトル別名
  • Financial Structure of Japanese Firms: Empirical Analysis of Long-term Trends for ROE
  • ROE ノ チョウキ カンサツ ニ ヨル ワガクニ キギョウ ノ ザイム タイシツ ノ ジッタイ カイメイ

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説明

<p>2014年8月に経済産業省から公表された『持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~』最終報告書では、他国と比較しわが国のROEが低く、「最低限8%を上回るROEを達成することに各企業はコミットメントするべきである」との指摘がなされている。また2014年度の『生命保険協会アンケート調査結果』では、企業は「自社のROE水準に対して、課題意識を持っている」ことが報告されている。ちなみに、ROEは債務超過に陥った企業は算出できないなど、その他の財務指標と異なり非常に不安定な構造をもつ指標である。また、国による会計制度の相違により指標の構成要素である純資産の内容が異なることから、そもそもは、ROEを他国と比較することも困難である。そこで本研究では、長期にわたる経済環境の変化にも注目しながら、時代ごとのROE及び付随する財務指標を分析することで、わが国企業の財務体質を明らかにし、ROEがわが国企業の収益の効率性を評価するのに適した指標であるかを考察する。なお、分析に際しては1971年から2013年の間の42年間にわが国の証券取引所一部、及び二部に上場していた企業を格付けし、各年、各格付け別にROE及びその構成要素となる財務指標の推移を観察した。</p>

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