マルチバージョン原子オブジェクトにおける可能実行方式

書誌事項

タイトル別名
  • Possible Execution in Multiversion Atomic Objects.
  • マルチバージョン ゲンシ オブジェクト ニ オケル カノウ ジッコウ ホウシキ

この論文をさがす

抄録

<p>原子オブジェクトは高信頼分散計算のためのツールとして非常に好ましい性質を持っている.なぜなら,原子オブジェクトは,それぞれのオブジェクトのセマンティクスを利用することにより,局所性を保ちつつ,高い並列性を提供する高信頼計算の実現を可能とするからである.我々は,そのような高い並列性を提供する原子オブジェクトとして,マルチバージョン原子オブジェクトを提案してきた. しかし,従来のマルチバージョンオブジェクトを用いたアルゴリズムは,回復可能性を実現するため補償関数を用いていた.これには2つの問題点があった.1つ目の問題点は補償関数が定義できない時,可換関係を用いることができないことである.2つ目の問題点は,補償関数は仕様から導くことが困難なので,ユーザは補償関数を陽に定義しなければならないことである. 本論文では,それらの問題点を解決するため,木構造のマルチバージョンオブジェクトを用いた可能実行方式を提案する.この方式は,従来の線形構造のマルチバージョンオブジェクトと異なり,複数の逐次化順序を生成するため,補償関数を用いなくても回復可能性を実現する.</p>

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (27)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ