東京湾における海底溶存酸素濃度の経年変化とその要因 ~生態系モデル解析~

  • 相馬 明郎
    大阪市立大学大学院 工学研究科都市系専攻
  • 春田 拓郎
    大阪市水道局 南部水道センター 配水管工事グループ 元大阪市立大学大学院 工学研究科都市系専攻

書誌事項

タイトル別名
  • ECOSYSTEM MODEL STUDY ON LONG-TERM DYNAMICS OF DISSOLVED OXYGEN AND ITS FACTORS AT THE BOTTOM WATER IN TOKYO BAY
  • トウキョウワン ニ オケル カイテイ ヨウゾンサンソ ノウド ノ ケイ ネンヘンカ ト ソノ ヨウイン : セイタイケイ モデル カイセキ

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抄録

東京湾の貧酸素化は,湾全体では改善傾向にあるものの未だ深刻な領域も存在する.本研究では浮遊系―底生系結合生態系モデルを用い,1979~2009年までの陸域からの栄養塩・COD流入削減に伴う海底溶存酸素と酸素消費メカニズムの経年変化を解析した.解析の結果,海底酸素が増加するA類型,減少から増加に転じるB類型,低下するC類型が存在した.また,栄養塩・COD流入削減は,A類型では,貧酸素改善に伴う還元物質(Mn2+, Fe2+, S2-)減少と底生動物増加を導き,C類型では,酸素上昇による還元物質減少と餌不足による底生動物減少を導いた.B類型では,貧酸素化改善に伴い底生動物は1994年まで増加し,その後,餌不足により減少した.これらの結果は,底生動物増加と貧酸素改善の両視点に鑑みた最適な栄養塩・COD流入量は,領域によって異なることを示している.

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