CKD-MBD新しい話題 (1) ; マグネシウム

  • 奥野 仙二
    仁真会白鷺病院内科
  • 稲葉 雅章
    大阪市立大学大学院医学研究科代謝内分泌病態内科学・腎臓病態内科学

書誌事項

タイトル別名
  • マグネシウム

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説明

<p>腎臓はマグネシウム (Mg) の代謝においても重要な役割を担っており, 慢性腎臓病 (CKD) において腎機能が低下してくると, Mg代謝異常が認められるようになる. このため, CKDに伴う骨・ミネラル代謝異常 (CKD-MBD) において, カルシウムやリンに加え, Mgも大きく関与しているものと考えられる. CKDにおいて, 血清Mgの上昇は, 副甲状腺ホルモンの産生や分泌を抑制する. また, 骨へのMgの蓄積が, 低回転骨の原因となる可能性がある. 一方, Mgが骨密度や骨折リスクと, 関係している可能性も指摘されている. 血管石灰化は, CKD患者において高頻度に認められ, 生命予後とも関連している. この血管石灰化は, 骨形成に類似した調節機序が存在するとされているが, Mgはこの血管石灰化を抑制する作用を有している. また, 血管石灰化とも関連するが, Mgは心血管疾患に対しても抑制的に作用している. さらに, MgはCKD患者の生命予後とも関連しており, 血清Mg濃度が低値であると生命予後は不良である.</p>

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