TOPIX現物のRealized VolatilityとRealized Range-Based Volatilityの分析

  • 高橋 慎
    Kellogg School of Management, Northwestern University

書誌事項

タイトル別名
  • TOPIX ゲンブツ ノ Realized Volatility ト Realized Range Based Volatility ノ ブンセキ

この論文をさがす

抄録

<p>本稿ではTOPIX現物の高頻度データから計算されるRealized VolatilityとRelized Range-Based Volatilityに長期記憶過程であるARFIMAモデルと短期記憶過程であるUnobserved Components(UC)モデルを適用し,モデルの当てはまりとボラティリティ予測のパフォーマンス比較を行った.最尤法によりARFIMAモデルとUCモデルのパラメータを推定し,RVとRRVを真のボラティリティの代理変数として標本内予測,標本外予測を様々な指標で比較した結果,RVとRRV及びそれらの対数値の定式化において,ARFIMAモデルはUCモデルよりも優れていることが示された.また,標本内予測についてはRRVを用いたARFIMAモデルの,標本外予測についてはRVを用いたARFIMAモデルのボラティリティ予測力が高いことが示された.さらに,マルコフ連鎖モンテカルロ法によるベイズ分析も行い,ARFIMAモデルの実数差分パラメータの事後分布から,RV及びRRVの対数値は非定常な長期記憶過程に従っている可能性が高いという結果が得られた.加えて,ARFIMAモデルとUCモデルのデータヘの適合度を周辺尤度とDICを用いて比較し,標本外の予測力を様々な指標で評価した結果,全体的にARFIMAモデルが優れていることが示された.以上の結果から,RVとRRV及びそれらの対数値の定式化と予測において(非定常な)長期依存性を明示的に考慮する必要性が確認された.</p>

収録刊行物

  • 現代ファイナンス

    現代ファイナンス 29 (0), 49-73, 2011-03-31

    日本ファイナンス学会 MPTフォーラム

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ