これからのin vitro血液脳関門モデルを考える―新薬開発で脳内移行性を考慮するための技術展開―

書誌事項

タイトル別名
  • Consideration for future in vitro BBB models — technical development to investigate the drug delivery to the CNS
  • コレカラ ノ in vitro ケツエキ ノウ カンモン モデル オ カンガエル : シンヤク カイハツ デ ノウナイ イコウセイ オ コウリョ スル タメ ノ ギジュツ テンカイ
  • Consideration for future in vitro BBB models - technical development to investigate the drug delivery to the CNS

この論文をさがす

説明

<p>中枢神経系(central nervous system:CNS)の血管は血液と脳実質間の物質交換を血液脳関門(blood brain barrier:BBB)により制限している.現状,新薬候補化合物の脳内移行性を検討するための信頼性の高いin vitro BBBモデルは存在せず,中枢神経医薬品上市の低確率,中枢性副作用予測の困難さの一要因となっている.本レビューでは,まずBBBの構造と機能,汎用されるBBB機能定量パラメーターについて概説する.そして,新薬開発過程でこれまで使われてきたin vitro BBBモデルの歴史を紐解き,非細胞系モデルPAMPAから初代培養齧歯類細胞,畜産動物細胞,株化細胞,等の細胞系モデルへの推移を紹介する.また,ヒト予測性を向上させるためのヒト細胞適用の試みや,マイクロ流体モデルに代表される工学的アプローチなど,in vitro BBBモデルの最新開発動向についても紹介する.脳の恒常性維持に欠かせない強固なBBBをin vitroで再現することは,BBB形成メカニズムを解明することでもある.これらの新知見,それに基づいて開発される新しいin vitro BBBモデルは,中枢神経系の薬物動態予測,ドラッグデザイン,さらには,毒性・安全性評価を大きく進展させ,新薬成功確立の向上に貢献することが期待される.</p>

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 152 (6), 287-294, 2018

    公益社団法人 日本薬理学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (170)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ