東京近郊におけるオスヤマドリの行動圏および環境利用様式

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タイトル別名
  • Home Range and Habitat Use of a Male Copper Pheasant <i>Syrmaticus soemmerringii</i> in a Suburb in Tokyo, Japan
  • Home Range and Habitat Use of a Male Copper Pheasant Syrmaticus soemmerringii in a Suburb in Tokyo, Japan

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説明

<p>ヤマドリSyrmaticus soemmerringiiは日本固有種であるが,これまで行動圏に関する報告は見られない.我々は東京都八王子市にある森林総合研究所多摩森林科学園で1羽のオスヤマドリを捕獲したのち,発信器を装着して放鳥し,2003年6月から2004年5月までの1年間追跡を行った.調査地の植生は,サクラ植栽林,針葉樹壮齢人工林,常緑広葉樹二次林,多くの広葉樹が混じった針葉樹人工林(混交林)および樹木園である.行動圏面積は季節ごとに特定した138~345ポイントの位置をもとに最外郭法で算出したが,夏期と秋期で狭く(それぞれ5.76 haと5.30 ha),冬期と春期で広かった(それぞれ12.41 haと8.76 ha).行動圏内における植生割合と特定した位置ポイントの植生割合を季節ごとに比較したところ,すべての季節で有意な差が認められた.追跡オスは,行動圏内で本来の割合よりも有意に多くの時間を混交林で過ごしており,秋期を除いて常緑広葉樹二次林も好んでいることがわかった.一方,すべての季節でサクラ植栽林を利用する割合は,本来の植生割合に比べて有意に少なかった.追跡オスは2004年2月を除き,2003年9月から2004年3月まで,1羽のメスとともに行動していた.2004年2月だけ,2羽のメスが出現し,追跡オスとともに行動した.</p>

収録刊行物

  • 山階鳥類学雑誌

    山階鳥類学雑誌 48 (1), 29-35, 2016-09-30

    公益財団法人 山階鳥類研究所

参考文献 (4)*注記

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