鳥取県人形峠層辰巳峠部層(上部中新統)の花粉群集と気候変動

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タイトル別名
  • Pollen assemblages and climatic implications of the Upper Miocene Tatsumitoge Member, Ningyotoge Formation, Tottori Prefecture, Japan
  • トットリケン ニンギョウ トウゲソウ タツミ トウゲブソウ ジョウブ チュウシントウ ノ カフン グンシュウ ト キコウ ヘンドウ

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抄録

1)辰巳峠植物群を産することで知られる鳥取県に分布する上部中新統人形峠層辰巳峠部層の花粉分析を行い,44分類群を識別した.Fagus, Picea, Ulmus-Zelkova, Carpinus, Pinus-Pseudolarix, Alnus, Tsugaなどの産出率が高く,主として落葉広葉樹と常緑針葉樹からなる古植生が推定される.2)辰巳峠部層の花粉化石群集は,新生代の花粉帯NP-4a帯(6.5-5.5 Ma)に対比される可能性が高い.3)大型植物化石では辰巳峠植物群と一括されているが,花粉群集からは,Picea, Alnus, Ulmus-Zelkovaを高率に産出する下位の花粉帯IとFfagusを高率に産出する上位の花粉帯IIに区分された.局地的な植生や気候の違いを反映したものと考えられ,全体として花粉帯IIのほうがやや温暖な気候を示している可能性がある.4)FagusとPiceaの産出率は負の相関を示しながら5サイクルの変動がみられ,メッシニアン階における,周期4.1万年以下の比較的小規模な気候変動を示している可能性が高い.

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参考文献 (44)*注記

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