医療者のグリーフとレジリエンス ~ 私たち医療者にケアは必要ですか? ~

  • 下稲葉 かおり
    オーストラリア モナシュ大学 医学・看護学・健康科学部 看護・助産師科

書誌事項

タイトル別名
  • Healthcare professional's grief and resilience ~Do we need support and care for ourselves? ~

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説明

医療者はケア提供を通して、患者・家族のさまざまな喪失体験や死と向き合うことになる。それらを通して、医療者も喪失・悲嘆を経験する可能性がある。本稿では、医療者の経験する喪失・悲嘆の特徴とそのケアについて述べる。喪失経験のあとに悲嘆を経験することは自然なことであっても、それが仕事を通して蓄積すると大きな影響がでたりバーンアウトの原因なるといわれている。同時に、ケア提供を通して医療者としてのやりがいや達成感を感じたり、専門職・人としての成長を感じることができている。この内なる強さはresilience(レジリエンス)と呼ばれる。レジリエンスを育て強めていくには、大きく2つの要素があり、サポートを受けること(外からの要素)と自己認知とセルフケア(内からの要素)が含まれる。ケアを通して経験する喪失・悲嘆について知り、医療者が十分なサポートを受け、さらにセルフケア実施していくことは、良いケアを提供していくためのひとつの鍵となるのではないだろうか。

収録刊行物

  • 看護科学研究

    看護科学研究 16 (3), 90-95, 2018

    大分県立看護科学大学看護研究交流センター

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