歯冠用硬質レジンと金属との接着耐久性

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タイトル別名
  • Factors Affecting of the Durability of the Bond Strength on Resin Veneers to a Dental Alloy

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抄録

4種類の歯冠用硬質レジンと金銀パラジウム合金を使用し,レジン前装冠に模した試料を作製し,3種類の熱耐久条件を行った後,剪断接着試1験と衝撃試験を行い,合金とレジンの接着耐久性を調べた.被着体の表面はアルミナでサンドブラスト処理をしたものとリテンションビーズを付与したものの2条件であった.製造業者の指示に従い,直径6mm,高さ2mmの試料を作製した.試料は,コントロールとして37℃の水中で1日保管した条件と,37℃水中で30日保管した条件,4℃と60℃の水中に浸漬する熱サイクル5,000回を行い,その後剪断接着試験と衝撃試験を行った.リテンションビーズの付与は合金との接着力の向上と耐久性において有効であった.剪断接着試験の結果,30日水中保管の試料の値が,コントロールの値より大きい製品のものがあった.衝撃試験後の破断面の観察の結果,亀裂はオペークレジン中で発生,伝播し,合金とレジン界面に達して破断するものと推定された.これらのことと曲げ試験の結果から,オペークレジンは重合が完全でなく,またその機械的性質も前装用レジンよりも劣っていると考えられた.オペークレジンの重合率の向上,レジンとフィラーの濡れ性の向上などオペークレジンの機械的性質の向上が金属とレジンの接着性と耐久性の向上にとって重要であることが示唆された.

収録刊行物

  • 歯科材料・器械

    歯科材料・器械 18 (5), 380-389, 1999-09-25

    一般社団法人 日本歯科理工学会

被引用文献 (10)*注記

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参考文献 (31)*注記

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