塩化第二鉄-クエン酸水溶液およびコラーゲン存在下のTBBOによるMMAの重合 : 象牙質に対するMMAレジンの接着のモデル実験

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タイトル別名
  • Polymerization of MMA by TBBO in the Presence of Ferric Chloride-citric Acid Solution and Collagen : A Model for Adhesion of MMA Resins to Dentin

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抄録

3wt%塩化第二鉄-10wt%クエン酸水溶液 (FC-CA) で処理したコラーゲン粉末の存在下におけるMMA/TBBO系レジンの重合挙動を調べるため, 硬化時間, 未重合モノマー量, 分子量の測定を行った. FC-CAあるいはコラーゲンを単独で存在させた場合にはMMA/TBBO系レジンの硬化時間は長くなったが, FC-CA処理したコラーゲンが存在すると硬化時間は著しく短縮された. レジン中の未重合モノマー量はFC-CA処理したコラーゲンの存在により減少した. 特に, 4-METAを5wt%添加したMMA/TBBOレジンでは, FC-CA処理したコラーゲンの硬化促進, 未重合モノマー量の低減化の傾向は著明であった. MMA/TBBOレジン硬化物中のポリマーの数平均分子量は5.7×104であったが, FC-CA処理したコラーゲンが存在すると10.0×104に増大した. 得られた結果とFC-CAで処理した象牙質へのMMA-PMMA/TBBO系レジンの接着との関連性について考察し, FC-CAがMMAの重合反応を促進して接着強さの向上に寄与している可能性を示した.

収録刊行物

  • 歯科材料・器械

    歯科材料・器械 6 (5), 695-701, 1987-09-25

    一般社団法人 日本歯科理工学会

被引用文献 (3)*注記

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