初潮とともに急速増大した14歳乳腺線維腺腫の1例

  • 池原 智彦
    信州大学医学部外科学第2教室乳腺内分泌・呼吸器外科
  • 大場 崇旦
    信州大学医学部外科学第2教室乳腺内分泌・呼吸器外科
  • 前野 一真
    信州大学医学部外科学第2教室乳腺内分泌・呼吸器外科
  • 伊藤 研一
    信州大学医学部外科学第2教室乳腺内分泌・呼吸器外科
  • 小林 翔
    信州大学医学部臨床検査部病理
  • 上原 剛
    信州大学医学部臨床検査部病理

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Juvenile Fibroadenoma of the Breast Enlarging Rapidly Soon after Menarche in a 14-year-old Girl
  • 症例 初潮とともに急速増大した14歳乳腺線維腺腫の1例
  • ショウレイ ショチョウ ト トモニ キュウソク ゾウダイ シタ 14サイ ニュウセン センイセン シュ ノ 1レイ

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抄録

若年者の線維腺腫の中には急速に増大するものがあり,若年性線維腺腫と呼ばれ,本邦での15歳以下の報告例は20例と比較的稀である.今回,14歳女児に発症し,初潮とともに急速に増大した若年性線維腺腫の1例を経験したので報告する.症例は14歳,女児.4カ月前に初潮初来.3カ月前より急速に左乳房の増大を認め,当科を受診した.左乳房に10cm大の弾性軟な腫瘤を触知し,乳房造影MRI検査で左ECD領域に12cm大の漸増型造影効果を伴う境界明瞭腫瘤を認め,針生検で線維腺腫と診断された.増大傾向を呈する巨大な腫瘤であり手術の方針とし,整容性を考慮し,乳房下溝線外縁に皮膚切開を置き,腫瘍摘出術を施行した.病理組織診断で若年性線維腺腫と診断され,ER陽性・Ki-67陽性率は約20%であった.本症例は初潮後に腫瘤が急速に増大し,ER陽性であったことから,急速増大の要因としてエストロゲン刺激との関連が示唆された.

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