『フィッシュ!哲学』導入における看護師の職場活性化

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タイトル別名
  • Revitalizing Nursing Workplaces by the Introduction of the FISH! Philosophy
  • ─職務満足度とモチベーションの分析から─
  • —The Analysis of Nurses’ Job Satisfaction and Motivation to Work—

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抄録

<p>『フィッシュ!哲学』はシアトルのバイクプレイスにある魚市場でのワークカルチャーを観察することで発展した先駆的な労働管理システムである.本研究は『フィッシュ!哲学』を看護師の職場に導入することで,職場にどのような変化をもたらすのかその変化の特徴を明確にするとともに,職場の活性化について探求することを目的とした.</p><p>研究対象とした急性期病院において,職場の活性化を目的に委員会を立ち上げ職員研修などを開催した後,平成21年3月に『フィッシュ!哲学』を導入した.『フィッシュ!哲学』導入前後の患者満足度と看護師の職務満足度,導入後の部署ごとのフィッシュ度と看護師のモチベーション自己診断の調査をおこなった.調査対象の看護師はのべ1382名,患者はのべ4573名である.『フィッシュ!哲学』の実践状況を客観的に評価し,フィッシュ!哲学』導入が良好な部署とうまく導入できていない部署の2グループに分け比較した.その結果,『フィッシュ!哲学』の導入が良好な部署では「職業的地位」「専門職としての自律」「看護師間相互の影響」の3つの職務満足度構成要素が高くなり,「人間関係」「環境整備」「期待・評価」のモチベータも高かった.さらに,患者満足度も『フィッシュ!哲学』の導入が良好な部署では,「挨拶」「説明」「ナースコール対応」「物音への配慮」「受け持ち看護師点数」の項目が特に高くなっていた.『フィッシュ!哲学』を看護の現場に導入し,良好に実践できると職務満足度は向上し,看護師のモチベーションも高く,患者満足度にも影響を与えることが明らかになった.</p>

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