肝性浮腫に対するトルバプタンの利尿効果と安全性

  • 魚嶋 晴紀
    湘南鎌倉総合病院医局消化器病センター
  • 賀古 眞
    湘南鎌倉総合病院医局消化器病センター

書誌事項

タイトル別名
  • Efficacy and safety of tolvaptan in decompensated liver cirrhosis patients
  • カンセイ フシュ ニ タイスル トルバプタン ノ リニョウ コウカ ト アンゼンセイ

この論文をさがす

抄録

<p>【目的】肝疾患に伴う体液貯留に対するトルバプタンの利尿効果と安全性を明らかにする.【方法】当院において2013年9月より2014年9月の期間に,7日間連続でトルバプタン7.5 mgを投与された,既存の利尿薬ではコントロール不良な腹水合併肝硬変患者を対象に,薬剤投与前後の尿変化量,投与後平均1日尿量と背景因子の相関,投与前後の血液・尿検査の変化から安全性について,後ろ向き観察研究を行った.【結果】対象32例.トルバプタン投与前の平均尿量が1,272±705 ml/日に対して,投与後の7日間平均尿量は,2,329±1,289 ml/日と有意な増量が認められた(p<0.0001).投与後7日間の平均尿量は投与前平均尿量と高い相関関係が認められた(R=0.7882,p<0.0001).トルバプタン投与7日目に軽度のクレアチニン値の上昇が認められたが,重篤な合併症を認めなかった.【結論】肝疾患に起因した体液貯留に対してトルバプタンを投与したところ,有効な利尿効果が示され,重篤な合併症は認められなかった.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ