乳がん皮膚浸潤による,出血,臭気に対する,紫雲膏・亜鉛華デンプン・メトロニダゾール療法の有用性

  • 古田 弥生
    社会医療法人山弘会上山病院緩和ケアチーム 社会医療法人山弘会上山病院薬剤科
  • 木下 奈穂
    社会医療法人山弘会上山病院薬剤科
  • 杉本 博是
    社会医療法人山弘会上山病院緩和ケアチーム
  • 荒木 浩
    社会医療法人山弘会上山病院緩和ケアチーム

書誌事項

タイトル別名
  • Bleeding by the Breast Cancer Skin Invasion, Utility of the Shiunko Ointment, Zinc Oxide Starch, and Metronidazole Therapy for the Order

この論文をさがす

説明

<p>乳がんの皮膚浸潤は出血や臭気を伴う滲出液のため,患者のQuality of Lifeを低下させる.局所処置療法としてMohsペーストや亜鉛華デンプン外用療法がある.Mohsペーストは正常組織の変性壊死による疼痛の有害作用があること,亜鉛華デンプン外用療法は止血・止臭効果が不十分という問題点がある.その問題点を改善した,紫雲膏・亜鉛華デンプン・メトロニダゾール(MNZ)療法の皮膚浸潤を伴う乳がん患者に対する,出血,臭気の緩和効果について報告する.症例は86歳女性.乳がんの皮膚浸潤に対して紫雲膏・亜鉛華デンプン・MNZ療法を行い,出血,感染兆候,臭気,滲出液,壊死組織が処置により客観的に改善し,ガーゼ交換の頻度は日に1回,処置は簡便であることが確認できた.紫雲膏・亜鉛華デンプン・MNZ療法は皮膚浸潤を伴う乳がん患者に対する,出血,臭気の緩和効果に有用で,従来の方法に加えて局所処置療法の一つになりうる可能性がある.</p>

収録刊行物

参考文献 (9)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ