Estimation of the ratio of drainage water in paddy area using water temperature prediction model
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- SHIMMURA Mami
- Institute for Rural Engineering, National Agriculture and Food Research Organization
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- TANIGUCHI Tomoyuki
- Faculty of Agriculture, Kyushu University
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- ISHII Atsushi
- Faculty of Life and Environmental Sciences, University of Tsukuba
Bibliographic Information
- Other Title
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- <b>水温予測モデルを用いた水田地域内の排水量割合の推定</b>
Description
本研究では用排分離水路において観測結果をもとに排水路への排水量割合を推定する手法を考案した。さらに、排水量割合を用い排水路において水温予測モデルを適用し、推定精度の検証をおこなった。<br> 対象地は茨城県に位置する福岡堰受益地区内の一支線用水路受益地区を対象とし、小排水路、支線排水路に水温モデルをそれぞれ適用した。入力値・検証値を得るため、対象水田区近傍の幹線用水路、対象水田区内の小排水路、支線排水路末端に水位・水温計を設置した。各排水路において近藤(1995)の河川水温予測モデルを適用し、それぞれの合流地点において排水の合流水温と各排水路の水温を混合させた。各排水路における排水量の比は、それぞれ10:0、9:1、…、0:10の11通りを設定し、各条件において水温を推定した。得られた結果を月別に精度検証し、最も推定精度の高い比を各月の排水量の比とした。計算は2016年を除く2013-2017年の灌漑期間である4月25日~8月23日におこない、各年における月別の排水量の比を年比率、4年間における月別の平均値を平均比率とした。さらに、年比率と平均比率を用いた場合の各排水路の水温を推定し、観測値との精度を比較した。<br> 2017年の支線排水路の推定結果は、灌漑期間において小排水路からの合流割合が6割の場合に二乗平均誤差は最も小さくなった。月別に比較すると、小排水路からの合流割合を5月から順に6割、6割、7割、10割とした場合に推定精度が高くなり、月毎に精度の高い割合が異なった。このことから、支線排水路における小排水路と小用水路の排水量の比の灌漑期間を通じた変動が確認された。推定精度の高い小排水路の合流割合の4年間の月別平均値は5月から順に6割、7割、9割、9割であった。<br> 2017年7月1日~8月23日における支線排水路の日平均最高水温は観測値が29.1℃、年比率・平均比率を用いた推定値がそれぞれ29.0℃、28.7℃であり、いずれも誤差は小さく、比率の違いによる推定精度の差は確認されなかった。いずれの年も同様の傾向を示したことから、各排水路への排水量の比率は地域を特徴する値であり、平均比率を用いることで排水路の水温が推定可能であることが示唆された。これは、作物や作期が本対象区において大きく変動しておらず、農家の水管理の変動が例年同様の傾向を示していたためと考えられる。
Journal
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- Proceeding of Annual Conference
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Proceeding of Annual Conference 31 (0), 242-, 2018
THE JAPAN SOCIETY OF HYDROLOGY AND WATER RESOURCES
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282763083847808
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- NII Article ID
- 130007554074
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed