紫外線治療が有効であった皮膚硬化型慢性 GVHD の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Sclerodermatous Chronic Graft-versus-Host Disease Successfully Treated with UV Irradiation
  • 症例 紫外線治療が有効であった皮膚硬化型慢性GVHDの1例
  • ショウレイ シガイセン チリョウ ガ ユウコウ デ アッタ ヒフ コウカガタ マンセイ GVHD ノ 1レイ

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説明

<p>30 歳,男性。急性骨髄性白血病を発症し,非血縁者間同種造血幹細胞移植を受けた。1 週間後に顔面や 四肢に紅斑が出現し,急性移植片対宿主病(graft-versus-host disease:GVHD)と診断され,ステロイドパルス療法により軽快し,以降プレドニゾロンとミゾリビン内服で良好に経過した。移植から 3 年後,下肢に水疱,びらんが出現し,色素脱失や色素沈着を残すようになった。同時期から次第に皮膚硬化が出現した。水疱の病理組織学的所見では,基底層の液状変性と表皮直下の裂隙形成を認め,真皮深層から皮下にかけて膨化した膠原線維が増生し,萎縮した汗腺を取り囲んでいた。病理組織学的所見より皮膚硬化型慢性 GVHD と診断した。皮膚硬化は徐々に進行し下肢に潰瘍が多発し難治であった。プレドニゾロンの増量と局所処置に加え narrow-band UVB(NB-UVB)全身照射およびエキシマライトによる NB-UVB 照射を行い,徐々に皮膚硬化は改善し,7 カ月後に潰瘍は上皮化した。プレドニゾロンを漸減しているが,潰瘍の再燃はなく経過している。慢性 GVHD における紫外線治療の有効性について文献的考察を加えて報告する。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 80 (5), 431-435, 2018-10-01

    日本皮膚科学会西部支部

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (11)*注記

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