MMSEスコア推定におけるα波の偏回帰係数の同定

  • 三輪 晃暉
    名古屋大学大学院工学研究科情報通信工学専攻古橋研究室
  • 吉川 大弘
    名古屋大学大学院工学研究科情報通信工学専攻古橋研究室
  • 古橋 武
    名古屋大学大学院工学研究科情報通信工学専攻古橋研究室
  • 寳珠山 稔
    名古屋大学 脳と心の研究センター
  • 牧野 多恵子
    星城大学 リハビリテーション学部
  • 柳川 まどか
    名古屋大学医学部附属病院 老年内科
  • 鈴木 祐介
    名古屋大学医学部附属病院 地域連帯・患者相談センター
  • 梅垣 宏之
    名古屋大学大学院医学系研究科地域在宅医療学・老年内科
  • 葛谷 雅文
    名古屋大学未来社会創造機構/大学院医学系研究科地域在宅医療学・老年内科

書誌事項

タイトル別名
  • Identification of Partial Regression Coefficient of Alpha Wave for Estimation of MMSE Score
  • MMSE スコア スイテイ ニ オケル aハ ノ ヘンカイキ ケイスウ ノ ドウテイ

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抄録

<p>高齢認知症患者数は年々増加し,2030年には65歳以上の約20%が認知症患者となると推定されている.また認知症は,症状が進んでからの治療が困難であるため,早期発見が重要とされている.脳波の特徴量であるP300頂点潜時は,認知症スクリーニング検査のMMSE(Mini Mental State Examination)スコア,課題の難易度,年齢,教育歴とそれぞれ関係があることが,個々に報告されている.そのため,P300頂点潜時を計測することでMMSEスコアを推定できれば,認知症の兆候を捉えられ,認知症早期発見につながると期待される.しかしMMSEスコアとP300頂点潜時等との関係は,これまで定量的には同定されていない.そこで本研究では,名古屋大学医学部附属病院老年内科に通院している患者を対象に,オドボール課題による脳波計測実験を行い,MMSEスコアとP300頂点潜時,課題の難易度,年齢,教育歴,更に認知症と関係性があるといわれているα波の重回帰式を同定した.同定の結果,α波はMMSEスコアの推定に統計的に有意な変数であることがわかった.この重回帰式におけるMMSEスコア推定誤差の 95%信頼区間は±3.19であった.</p>

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