02社-24-口-09 嘉納柔道思想の形成過程からこれからの武道教育における教育理念について考える

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タイトル別名
  • 固有性としての国民道徳と普遍性としての国際道徳という視点から

抄録

<p> 道徳は宗教性の原理を通して現れるが宗教はその地域の気候や風土に規定されている。諺には東西洋で共通のものも多いが「出る杭は打たれる」これに相当する西洋の諺はない。これは東洋の文化的固有性である「個人」と「社会」の理想的なあり方が凝縮されていると考えられる。同様に日常生活としての修養・修行による意識の厳密なる統一は身心変容技法として儒教、仏教などに取り込まれている。そして、それをモデルとした嘉納柔道を彼は「自分の説いている柔道が世界に広まることになれば日本文化がはじめて世界に寄与し」と述べているが、同時に国際道徳をも志向している。嘉納柔道思想の形成過程を「体育、勝負、修心」としていた第一期、嘉納柔道思想「精力善用自他共栄」の形成に三宅雪嶺の日常生活で「良知」を磨く事上磨練を重んじる儒教心学(陽明学)をベースとした現象即実在論・宇宙有機体説が応用された第二期、グローバルスタンダードが意識され自他共栄が国際道徳として展開した第三期に区分して、その思想形成過程を固有性としての国民道徳と普遍性としての国際道徳という視点から考察しこれからの武道教育における教育理念について考えていきたい。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763089514240
  • NII論文ID
    130007581810
  • DOI
    10.20693/jspehss.69.80_3
  • ISSN
    24241946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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