6歳男児に発症した視力予後良好のレーベル遺伝性視神経症の1例

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タイトル別名
  • A Case of Leber’s Hereditary Optic Neuropathy in a Six-year-old Boy

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抄録

症例は6歳男児.両眼の視力不良があり,視神経疾患の疑いで当科を紹介受診した.初診時視力は両眼とも矯正(0.1).限界フリッカ値は右眼19 Hz,左眼21 Hzであった.視神経乳頭の軽度発赤と乳頭耳側の網膜神経線維層(RNFL)の菲薄化,上方と下方象限のRNFLの肥厚を認めた.また黄斑部の網膜神経節細胞複合体の減少があり,ミトコンドリアDNA検査で11778変異が判明し,レーベル遺伝性視神経症(LHON)と診断した.3か月後より視力回復がみられ,発症後4年の最終視力は右眼(0.3),左眼(0.7)と良好である.本症例は緩徐進行型で,中心暗点は10°以内,RNFL菲薄化が耳側のみという,視力予後良好例の特徴を満たしていた.

収録刊行物

  • 神経眼科

    神経眼科 35 (4), 412-417, 2018-12-25

    日本神経眼科学会

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