小児の歯肉炎評価におけるGCFの応用に関する検討

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  • Application of GCF for Gingivitis Assessment in Children
  • ショウニ ノ シニクエン ヒョウカ ニ オケル GCF ノ オウヨウ ニ カンスル ケントウ

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抄録

<p> 歯肉炎の評価は視診もしくはプロービングによる方法が一般的であり,検診の場で使用可能な非侵襲的で簡便性,客観性,再現性を併せもつ検査方法はないのが現状である.本研究では,歯肉溝滲出液( GCF) 中の成分が歯肉炎バイオマーカーとして有用であるかを検討した.</p><p> 対象は北九州市内某小学校5,6年生107名である.ブロッティングブラシ(以下,ブラシ)で採取したGCF中のα-1 アンチトリプシン(A1AT),ラクトフェリン(Lf) 他4成分(AST,ALT,ALP,LDH)を定量し,PMA index(PMA),プラーク付着状態(PlI)との比較を行った.PMA,PlIを低値群と高値群に2値化し,GCF成分との比較を行ったところ,PMAではすべての成分,PlIではLDH以外の成分で有意(p<0.05)に関連していた.さらに,ROC曲線から求めたPMA,PlIに対する各成分のカットオフ値はそれぞれ,A1ATが283.8,248.3,Lfが152.1,114.4,ASTが4.5,2.5,ALTはともに1.5,ALPは2.5,PMAでのLDHが26.0であった.陽性尤度比は1.5から3.0程度となった.</p><p> 以上の結果からGCF中A1AT,Lf,AST,ALTおよびALPは小児を対象とした歯肉炎スクリーニングのバイオマーカーとして有用であることが示唆された.</p>

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