軽症頭部外傷を契機に発症した中枢性塩類喪失症候群(CSWS)の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of cerebral salt wasting syndrome caused by minor head injury
  • 症例報告 軽症頭部外傷を契機に発症した中枢性塩類喪失症候群(CSWS)の1例
  • ショウレイ ホウコク ケイショウ トウブ ガイショウ オ ケイキ ニ ハッショウ シタ チュウスウセイ エンルイ ソウシツ ショウコウグン(CSWS)ノ 1レイ

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説明

<p>症例は80歳,女性.左側頭部打撲にて微量のくも膜下出血を発症し入院した.4病日夕食後に浮動性めまい,嘔気嘔吐,倦怠感が出現した.頭部CT所見はさらに軽快していたが5病日にNa 114 mEq/と著明な低Na血症を認めた.当初頭部外傷後のADH不適合分泌症候群(syndrome of inappropriate secretion of ADH;SIADH)と考え水制限と生理食塩水の補液を開始するがNaは改善せず,脱水兆候が顕在化した.7病日より飲水制限を中止し3%食塩水補液を開始した.その後の経過は良好であり,補液を中止してもNaは正常値を保った.中枢性塩類喪失症候群(cerebral salt wasting syndrome;CSWS)とSIADHは治療法が相反するため,両者の鑑別は重要であるものの発症早期の診断はしばしば困難である.またCSWSは本例のごとく軽微な頭部外傷患者にも発症するため,わずかな状態変化の際にも常に念頭に置くべき鑑別疾患であると考えた.</p>

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