出生前検査における意思決定支援の困難性——遺伝カウンセラー・臨床心理士の語りから——

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タイトル別名
  • Difficulty of the Decision Support in Prenatal Testing: From the Narrative of Genetic Counselors and Clinical Psychotherapist
  • 出生前検査における意思決定支援の困難性 : 遺伝カウンセラー・臨床心理士の語りから
  • シュッショウゼン ケンサ ニ オケル イシ ケッテイ シエン ノ コンナンセイ : イデン カウンセラー ・ リンショウ シンリシ ノ カタリ カラ

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抄録

<p>出生前検査は、倫理的および社会的な議論を起こしてきた。2013年から始まったNIPT (Non-Invasive Prenatal Testing)では、臨床遺伝専門医および認定遺伝カウンセラーを中心とした遺伝カウンセリングを実施し、倫理的視点に配慮しつつ患者の自律性を確保することによって、この検査を実施する方向性が打ち出された。しかし、この検査をめぐる問題が遺伝カウンセリングの現場で解決されうるものなのか、別の課題が浮上する可能性も含めて、実証的な研究は少ない。本稿は、遺伝カウンセラーおよび周産期の臨床心理士へのインタビュー調査から、現場の課題を取り上げた。その結果、カウンセリングが自己目的化していること、親族との意見の相違、遺伝カウンセリング以前にかかっていた産科医から得た情報や支援が不十分なことが明らかになった。遺伝カウンセリングが有効に機能するためには、カウンセリングに外在する諸問題を視野に入れて、そのあり方について検討するべきである。</p>

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