製造法の異なるしょうゆの嗜好性および調理特性(第2報)

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タイトル別名
  • Study of the sensory evaluation in different soy sauces, and the search of cooking methods (part 2)

抄録

【目的】近年、色が淡く香りが穏やかな生しょうゆが開発され、話題を集めている。我々は通常の火入れしょうゆと生しょうゆの官能評価を行い、「香り」、「旨味」、「塩味」、「甘味」の項目で生しょうゆが好まれることを報告した1)。さらに、「酢豚のたれ」の試験では、生しょうゆの方が「酸味」や「塩味」を弱く感じ、しょうゆの種類により調理品の味に影響する場合のあることがわかった。本研究では、2種のしょうゆに各種基本調味料を加えた時の味の違いを調べ、その特性を活かした調理法について検討した。<br>【方法】製造法の異なるしょうゆとして、火入れしょうゆ(丸大豆しょうゆ:キッコーマン)と生しょうゆ(丸大豆生しょうゆ:キッコーマン)を用い、味の識別テストに合格した女子大生15名を対象に、2種のしょうゆに酢、みりん、砂糖を添加した時の味の違いについて分析型官能評価を行った。さらに、火入れしょうゆと生しょうゆを用いた調理品として「肉団子の甘酢あん」を作成し、女子大生126名に対し、分析型および嗜好型官能評価を実施した。<br>【結果】酢の添加では生しょうゆで「まろやかさ」を、火入れしょうゆで「酸味」を強める傾向があった。みりんの添加では火入れしょうゆで「塩味」を、砂糖の添加では生しょうゆで「甘味」を強く感じる人が多かった。「肉団子の甘酢あん」では味と総合評価で生しょうゆが有意に好まれ(p <0.05)、火入れしょうゆの方が「塩味」と「酸味」を強く感じる傾向がみられた。以上より、生しょうゆは酢の「酸味」をまろやかにし、火入れしょうゆは料理の「塩味」を強めることから、それぞれの特性に合わせた調理での使い分けが可能であると考えられた。<br>1)日本調理科学会平成27年度大会

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763104283264
  • NII論文ID
    130007479174
  • DOI
    10.11402/ajscs.30.0_172
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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