【書評】「ことば」の教育・研究に対する展開
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- 森山 新
- お茶の水女子大学
書誌事項
- タイトル別名
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- [Book review] A refashioning turn on language education and research
- Engaging Language (Eds. Saeki, Y. and Sato, S., 2017)
- 佐伯胖,佐藤慎司(編)『かかわることば』(2017,東京大学出版会)
抄録
<p>これまで「ことば」もしくは「ことばの教育」の研究者たちは,「ことばの意味」の客観性(三人称的観点)を重視するあまり,その主観性(二人称的観点)を極力排除しようとしてきた。その結果,本来ことばが持ち合わせているはずの「かかわる」側面もまた排除されがちであった。本書の編者,著者らはその点を疑問視し,ことばとその教育を扱う,発達心理学,教育学,社会人類学,国語教育学,英語教育学,日本語教育学などの分野では,ことばの「かかわる」側面を重視すべきであると述べている。グローバル時代を迎え,ことば,文化,そしてアイデンティティを異にする他者と日常的に接する今日,本書が提示する「ことば」及び「ことばの教育」に対する新たな転回は,この時代にともに生きるための「市民性」や,社会・コミュニティに積極的に参加する「クリティカルな存在( critical being)」を育むための「ことばの教育」や,その研究のあり方を考える上で,有意義な示唆を与えてくれる。</p>
収録刊行物
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- 言語文化教育研究
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言語文化教育研究 16 (0), 249-259, 2018-12-31
言語文化教育研究学会:ALCE
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282763112452096
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- NII論文ID
- 130007644953
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- ISSN
- 21889600
- 21887802
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可