重機による地拵え後の針葉樹の天然更新:表土の残し方で成績が変わるか?

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タイトル別名
  • Natural regeneration of conifers after machinery site-preparation: does seedling establishment depend on soil retention?

抄録

<p>アカエゾマツの天然更新の可能性を検討するために、掻き起こし地における発芽および1年目の成長を、表土を残す量に着目して評価した。表土の残存は実生の成長を改善するが、アカエゾマツの場合、土壌中の病原菌への耐性が低いことからその効果は懸念され、経験的には表土を排除することが有効とされてきた。施工地に残る表土の量が「多い」「中間」「少ない」の3処理を作成した。秋季に播種し、翌春に一部を回収して種子の腐敗率を調べるとともに、実生の発芽、生存、成長、菌根形成率などを記録した。種子の腐敗率は低く、発芽率ともに、表土の量の影響は見られなかった。実生の生存率は、表土が多い箇所で有意に高く、菌害による死亡が僅かな一方で、先折れによる死亡率の差が処理間の差に寄与していた。成長と菌根形成率も、表土が多い箇所で高かった。経験的な予想に反して、1年生時点では、表土が多いことはむしろ良好な更新につながっていた。菌害の影響は軽微であり、微地形の存在や土壌水分の保持が、生存・成長に寄与したと考えられる。結果をもとに、2年生以降の動態に関する知見も合わせて、アカエゾマツの天然更新を促進する育林方法について議論する。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763113009280
  • NII論文ID
    130007645625
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_537
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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