肝機能障害の診断酵素に異常が認められた黒毛和種肥育牛に対するルーメンバイパスビタミンC 製剤給与が血液検査成績に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effects of a rumen-protected vitamin C preparation on blood test results in Japanese Black fattening cattle with liver enzyme abnormalities
  • カン キノウ ショウガイ ノ シンダン コウソ ニ イジョウ ガ ミトメラレタ クロゲワシュ ヒイクギュウ ニ タイスル ルーメンバイパスビタミン C セイザイ キュウヨ ガ ケツエキ ケンサ セイセキ ニ オヨボス エイキョウ

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説明

<p> ビタミンC(VC)は強い抗酸化作用を持つ栄養素である.家畜においてVCは体内で合成されるものではあるが,黒毛和種牛では肥育の経過に伴い血漿中VC濃度が低下すると報告されており,肥育後期にはVCが欠乏している可能性が示唆される.ヒトにおいてVC欠乏は肝硬変等の肝臓病と因果関係があるとされており,実際にVCの投与は肝臓病の治療として活用されている.そこで,黒毛和種肥育牛においてビタミンA(VA)等の抗酸化ビタミン低下による肝機能障害を軽減させることを目的として,VCを70%含有するルーメンバイパスVC 製剤(VC製剤)を給与して,血液検査成績に及ぼす影響を調査した.肝機能障害の診断酵素活性が高値を示した19~20カ月齢の黒毛和種肥育牛10頭を供試牛とし,通常の給与飼料に加えて,調査開始から7日間VC製剤を1日30g給与した.VC製剤給与前,給与1, 3, 7日目および給与終了後7日目に採血し,血液検査成績の推移を調査した.血漿中VC濃度は,給与前に比べ給与3日目および7日目で有意に増加した.血清中VA濃度は,給与前の時点で欠乏値であったが,さらに給与7日目および給与終了後7日目で給与前に比べて有意に減少した.血清中AST活性は,給与前に比べ給与7日目に有意に減少した.血清中GGT活性は,給与前に比べ給与3日目および7日目に有意に減少した.結果より,VC製剤の給与によって,血漿中VC濃度が増加したこと,および血清中ASTおよびGGT活性が減少したことから,VCは牛において肝臓の保護作用がある可能性が示唆された.</p>

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